今回は、リース取引の中でもファイナンスリースの利子込み法についての仕訳と解き方を初学者向けに解説していきます。
利子込み法によるファイナンスリース取引 の問題と解答
《問題》
以下の条件でのファイナンスリース取引(利子込み法)を
リース契約日、決算日、リース料支払日に分けて、それぞれ仕訳しなさい。
・リース契約日(利用開始日):×1年10月1日
・リース期間:5年
・見積現金購入価額:132,000円
・年間リース料:30,000円(毎年9月30日に現金で後払い)
・減価償却:定額法/残存価額ゼロ/耐用年数はリース期間と同じ/記帳方法は間接法。
・決算日:毎年3月31日
《回答》
(リース契約日)×1年10月1日
リース資産 150,000/リース債務 150,000
(決算日)×2年3月31日
減価償却 15,000/リース資産減価償却累計額 15,000
(リース料支払日)×2年9月30日
リース債務 30,000/現金 30,000
ファイナンスリース取引とは?
一般的に、リース契約は貸し手(リース会社)と借り手(企業や個人)の間で行われ、借り手はリース物件を一定期間使用することができます。「ファイナンスリース取引」とは、実質的に資産の所有権が借り手に移転するような取引のことを指し、通常の売買取引と同様の会計処理となります。
リース料は物件の購入価格にほぼ相当し、借り手がリース期間中にその費用を支払います。このため、実質的に物件を購入するのと同じ経済的な意味を持ちます。
簿記の上では、ファイナンスリースは「リース資産」として借り手の貸借対照表に計上され、その減価償却も行います。また、リース料の支払いには、元本に利息を含める利子込み法と、元本に利息を含めない利子抜き法があります。
ややこしいですよねー。
2級合格だけを目指すなら、そこまで深く追求しなくてもいいと思います。
↓要するに、ざっくり言えば・・・
・ファイナンスリース取引は、モノを「購入した」という会計処理方法。
・ちなみに、オペレーティングリース取引は、モノを「借りた」という会計処理方法。
ファイナンスリース取引(利子込み法)で必要な仕訳はコレ!
ファイナンスリース取引は、モノを購入したのと同じような会計処理をするため、
利子込み法 となっていれば、必要な仕訳は この3つ!!!
①リース契約を結んだ日の仕訳
②決算日の仕訳
③リース料支払日の仕訳
※厳密には、減価償却は利用を開始した日からですが、2級の問題では、契約日・購入日・利用開始日はほぼ同日と思って大丈夫です。
契約日! 決算日! 支払日!
も一度言います。
契約日! 決算日! 支払日!
利子込み法での契約の場合、この3つの日には必ず仕訳が発生しますからね!
契約日! 決算日! 支払日!
決算日と支払日は逆になることもあるし、同日に設定されてることもあります。
契約日! 決算日! 支払日!
契約日は1回だけですが、決算日と支払日は毎年発生します。
簿記2級の問題では、契約日も含めた一連での問題が出ることが多いです。
3つ同時に仕訳ができるようにしておくことで、もし「決算日だけ」「支払日だけ」での仕訳が問われるような問題であっても、少し考えれば簡単に回答できるハズです。
①リース取引(利子込み法)における 契約日の仕訳
《問題》
以下の条件でのファイナンスリース取引(利子込み法)を
リース契約日、決算日、リース料支払日に分けて、それぞれ仕訳しなさい。
・リース契約日(利用開始日):×1年10月1日
・リース期間:5年
・見積現金購入価額:132,000円
・年間リース料:30,000円(毎年9月30日に現金で後払い)
・減価償却:定額法/残存価額ゼロ/耐用年数はリース期間と同じ/記帳方法は間接法。
・決算日:毎年3月31日
《回答》
(リース契約日)×1年10月1日
リース資産 150,000/リース債務 150,000
【リース契約日の勘定科目について】
ファイナンスリース取引は、モノを購入した(所有者が自分になる)とみなすので、利子込み法・利子抜き法に関係なく、この仕訳になります。
モノを購入した → 資産が増えた → リース資産(資産)の増加
モノを購入した → 債権も増えた → リース債務(負債)の増加
【リース契約日の金額について】
金額については、利子分を含めるか、含めないか、で考えます。
↓この・・・
利子を含める金額が → 利子込み法
利子を含めない金額が → 利子抜き法
ということです。
↓問題文の金額を当てはめてみると・・・
利子込み法 → 年間リース料30,000円×リース期間5年=150,000円
利子抜き法 → 見積現金購入価額:132,000円
↓よって・・・
今回の問題文では「利子込み法」が問われているので、金額は150,000円になりますね。
(借方)リース資産 150,000/(貸方)リース債務 150,000
②リース取引(利子込み法)における 決算日の仕訳
《問題》
以下の条件でのファイナンスリース取引(利子込み法)を
リース契約日、決算日、リース料支払日に分けて、それぞれ仕訳しなさい。
・リース契約日(利用開始日):×1年10月1日
・リース期間:5年
・見積現金購入価額:132,000円
・年間リース料:30,000円(毎年9月30日に現金で後払い)
・減価償却:定額法/残存価額ゼロ/耐用年数はリース期間と同じ/記帳方法は間接法。
・決算日:毎年3月31日
(決算日)×2年3月31日
減価償却 15,000/リース資産減価償却累計額 15,000
先述したとおり、ファイナンスリース取引は、モノを購入した(所有者が自分になる)とみなすので、決算日には減価償却の処理が必要となります。
リース取引の契約をした時に、①の仕訳で、リース資産を計上しましたよね。
リース資産(モノ)は、月日の流れとともに、その価値は減少します。
新品の車 と 何年も乗った車 が同じ価値なわけないですよね!!
その減少した価値を一定のルールに従って数値化したものが減価償却です!
↓そのルールとは・・・?
そのルールが、問題文にもある「定額法」「間接法」になります。
↓定額法とは・・・?
定額法は、リース期間中に同額ずつを減少させる計算です。
だから て・い・が・く・法 なのです。
↓金額は・・・?
先の①のリース契約日の金額は 150,000円
リース期間は 5年間
この150,000円を5年間かけて、その価値を落としていくイメージです。
毎年、同額を減少させるので、150,000円÷5年=1年あたり30,000円 です。
1年=12ヶ月=30,000円 ここ大事!
問題では、
リース契約日:×1年10月1日
決算日:毎年3月31日
とありますね。
減価償却は決算日に行う処理です。
↓ということは・・・
リース契約を開始した年に限っては、契約日~決算日まで となります。
↓よって・・・
12ヶ月分ではなく、10月~3月までの6ヶ月分のみの減価償却となりますね。
30,000円÷12ヶ月×6ヶ月=15,000円 です!
これで減価償却の金額は 15,000円 がでましたね。
↓次に勘定科目をみていきましょう!
減価償却をする時、借方は必ず「減価償却費(費用)」になります。
↓では、貸方は・・・?
問題文を見ると「間接法」とありますね!
↓間接法とは・・・?
直接法 だと、契約時の資産である「リース資産」の金額を直接減少させる方法なのですが、
間接法 では、リース資産の金額はそのままにしておき、別で「減価償却累計額」の勘定科目を使用します。
↓減価償却累計額とは・・・?
借方にくる減価償却費は費用(P/L項目)なので、決算のタイミングでリセットされます。
そのため、
今現在の減価償却がどれだけ処理されているのかが分からなくなります。
よって、
減価償却費の累積額として、資産のマイナス(B/S項目)である「減価償却累計額」に貯めていくのです。
B/S項目は、そのモノ(資産)を売ったり、除却したりなどの処分をしない限り、永続的に計上されていくため、B/S項目をみれば、今までに減価償却をした累計額を確認することができるというワケです。
↓よって、決算日の仕訳は・・・
(借方)減価償却費 15,000円/(貸方)減価償却累計額 15,000円
となりました。
③リース取引(利子込み法)における リース料支払日の仕訳
《問題》
以下の条件でのファイナンスリース取引(利子込み法)を
リース契約日、決算日、リース料支払日に分けて、それぞれ仕訳しなさい。
・リース契約日(利用開始日):×1年10月1日
・リース期間:5年
・見積現金購入価額:132,000円
・年間リース料:30,000円(毎年9月30日に現金で後払い)
・減価償却:定額法/残存価額ゼロ/耐用年数はリース期間と同じ/記帳方法は間接法。
・決算日:毎年3月31日
(リース料支払日)×2年9月30日
リース債務 30,000/現金 30,000
最後に、リース料金を支払った時の仕訳を考えてみましょう。
↓勘定科目について
①の契約日の仕訳をした時に、負債である「リース債務150,000円」を一括計上しましたよね?
なので、
リース料を支払った時には、このリース債務(負債)を減少させます!
よって、
借方に リース債務 の勘定科目がきます。
↓貸方は・・・?
問題文に 現金払い と書かれていますね。
資産の減少です。
↓金額はどうなるでしょう?
リース負債150,000円 を 5年間かけて払っていくのです。
なので、
150,000円÷5年間=1年あたり30,000円 になります。
リース契約日が×1年10月1日
リース料金の支払日が毎年9月30日
ということは、×2年9月30日には、ちょうど1年間分を支払うということです。
なので、
日割り計算は必要ありません!
↓よって、支払日の仕訳は・・・
(借方)リース債務 30,000円/(貸方)現金 30,000円
となります。
ファイナンスリース取引(利子込み法) まとめ
ファイナンスリース取引は、モノ(資産)を購入した と判断し、減価償却の処理が必要になります。
利子込み法は、はじめから利子が含まれている金額で計上していくので、利子抜き法よりも簡単です!
利子抜き法になると、利子分を別の勘定科目にしたり、決算時の処理が必要だったりします。
そのため、まずは利子込み法を完全に理解しておくことをオススメします。
2級取得目指してがんばりましょー!!^^




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