今回は、連結会計における 手形割引 についての仕訳を解説していきます。
連結グループ内で発生した手形を銀行で割り引いた場合、仕訳が難しいと思っている人も多いのではないでしょうか。
連結グループが一つの会社であるとイメージして考えると、分かりやすいかもしれません。
連結会計における手形割引についての問題と回答
《問題》
S社はP社の連結子会社とします。
P社がS社に対して約束手形40万円を振り出しました。
S社は受け取った約束手形を、連結グループ外部の取引銀行で割り引きました。
尚、期末現在この手形は未決済です。
(割引料は0円とする)
《回答》
(借方)支払手形 400,000円 (貸方)借入金 400,000円
問題の割に、回答がシンプルですね!
「支払手形」の勘定科目が出てくるのはなんとなく分かりますが、「借入金」っていうのが、ちょっと不思議ですよね。
別に借金やしてないしっ!みたいな・・・^^;
まずは、個別会計の取引イメージ
S社とP社をそれぞれ個別でみると、取引の流れはこのようなイメージです。

S社さん。
S社さんへの支払い40万円分ですが、
すぐに手形で払いますね!
個別の仕訳=(借方)買掛金など/(貸方)支払手形

P社さん、ありがとうございます。
40万円の手形、たしかに受け取りました。
個別の仕訳=(借方)受取手形/(貸方)売掛金など

○×銀行さん。
この手形を現金化したいんですが、
できますか?

S社さん。
手形の割引ですね、できますよ。
では、40万円お渡しいたしますね。

○×銀行さん、ありがとうございます。
たしかに40万円いただきました。
個別の仕訳=(借方)現金など/(貸方)受取手形
個別の仕訳だと上記のようなイメージですね。
連結会計における 債権・債務の修正仕訳(仕訳①)
連結会計では、S社とP社が一つの会社であるとイメージすることです。
↓ということは・・・
取引で発生した貸し借りは、無くす必要がありますね。
同じ会社内で、売掛や買掛、手形を払ったりもらったりするのはおかしいですよね。
↓そこで・・・
個別会計で発生した債権債務を一つの仕訳にしつつ、借方・貸方を逆にすることで、相殺消去します。
右にあるものを左に、左にあるものを右にもってくることで、相殺されますね。
↓なので・・・
P社の支払手形 と S社の受取手形 を相殺消去 します!
(厳密には、S社とP社のどちらが支払手形だろうと受取手形だろうと、仕訳は同じです)
(借方)受取手形/(貸方)支払手形 400,000円
↓ 修正仕訳(逆にする!)↓
①(借方)支払手形/(貸方)受取手形 400,000円
これで、連結会計上の債権債務はなくなりました!
連結会計における 手形割引 の仕訳(仕訳②)
次に、銀行での手形割引についての仕訳です!
★ここ重要!★
S社は、受取手形を銀行に渡して現金をもらいました!
銀行は、P社から400,000円を回収します!(決済はまだ)
おやおや??
S社がお金をもらって、P社がお金を払う・・・?
連結会計上、S社とP社は同じグループですよね!?
↓ということは・・・
銀行から現金をもらったのは、S社個別ではなく、グループ全体でもらったと解釈します。
また、銀行へお金を払うのも、P社個別ではなく、グループ全体から支払うと解釈します。
↓ということは・・・
銀行が400,000円を渡す相手も、回収する相手も、連結グループ全体ということです。
↓連結グループからすると・・・

銀行に手形を渡して400,000円もらったんだけど、
銀行に返済するのって結局、自分たちじゃん!!
みたいな感じですね。(あくまで連結会計上の解釈です)
↓ということは・・・
連結グループからすると、銀行からお金を借りているのと同じ意味になるのです。
400,000円をもらったのも自分たち、返すのも自分たち=借金
ということで・・・
①で仕訳した債権債務の受取手形を借入金に変えます!
②(借方)受取手形/(貸方)借入金 400,000円
①と②の仕訳を並べた方が分かりやすいので下記↓で説明しますね。
仕訳の①と②を相殺します
上記の仕訳①と②を相殺していきましょう。
①(借方)支払手形/(貸方)受取手形 400,000円
②(借方)受取手形/(貸方)借入金 400,000円
①は、手形を消去した際の仕訳
②は、銀行で手形を割り引いた際の仕訳(※①の受取手形を借入金に振り替えた!)
↓
①と②を相殺すると、受取手形が消えます!
①(借方)支払手形/(貸方)受取手形 400,000円
②(借方)受取手形/(貸方)借入金 400,000円
↓
最後に残ったのが・・・
(借方)支払手形/(貸方)借入金 400,000円
となりました~♪♪
できる限りかみ砕いて解説をさせていただきましたが、始めて学習する方には少しややこしく感じるかもしれませんね。
連結会計と個別会計では、処理の都合上、仕訳が逆になるので勘定科目や借方・貸方が混乱してきますよね。
私自身もまだまだ勉強中の身ですが、このような流れでどうにかこうにか覚えていったので、どこかで誰かの参考になれば幸いです。


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